社会を今より良くするプロダクト

こちらのブログは世のため人のため、家族のためになる製品を紹介するブログです。

生産する時も、加工する時も、販売する時も、出続ける食品ロス

この記事を読んで下さっている方たちの中で、日本の食料廃棄量がどれくらいかご存知の方はいらっしゃいますでしょうか。

その量、約2000万トン!
その内食べられる量は500〜900万トン!
日本が海外から輸入している食物量は約5500トンとされているので、40%近い量が廃棄されている、ということでしょうか。

食品廃棄ロスでは世界トップレベルを誇る日本

食品ロスに関する記事はネット上にたくさんあります。
日本の食品ロスだけで途上国の5000万人が一年間食べられる、などの試算を紹介しています。

私が食料廃棄に関心を持ち始めたのは、株式会社エードットという会社からのとある相談がきっかけでした。
同企業は「もったいないアクション」という活動を展開している会社で、私は微力ながら等活動の認知拡大を支援させてもらっております。

今回、このブログではこのアクションについて紹介させて頂ければと思います。

この活動は、魚介や野菜などで品質に問題ないにも関わらず廃棄される「もったいない食材」を美味しく提供することを主とした活動です。

第一号店の築地のもったいない食材を使った丸の内の居酒屋「魚治」が2015年1月にオープンしたのを皮切りに、2016年4月現在で4店舗オープンしております。

もったいないアクションのWEBサイトはこちら
mottainai-action.com


築地では毎日「競り残」と言われる鮮魚が廃棄されてしまっていました。
その売れ残る理由というのが何とももったいないのです。
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・大きすぎて基底のケースに入らず、運びにくい
・蟹の足が一本だけ折れてる
・旬からズレてる上に量も微妙だったから引取手がいない

などなど、味や鮮度には全く影響の無いものばかり。

大量に魚を扱う以上、どうしても効率的に売っていかないとさばけない、ということは理解できますし、魚市場ならどこでも起こり得ると想像できます。築地に限ったことではないでしょう。

もったいないアクションではこうした食材を安価に仕入れ、実店舗を通じて顧客へ還元する仕組みを構築しています。
また、このアクションは農林水産省が主催する2015年度フードアクションニッポンアワードの販売活動部門においても優秀賞を受賞するなど、その活動に共感して下さる方が本当にたくさんいます。

こうした活動は普及と波及の両面から拡大させなければなりません。
ここでいう普及とは、この活動自体の認知拡大を意味し、波及はもったいない食材を減らそうという思い自体の拡大を意味します。

普及については私自身も既に頑張ってPRしていますし、この活動を拡大させるためにも必須にやらなければならないのでここでの言及は避け、波及について考察を進めます。

もったいない食材への様々なアプローチ

業務用の加工食材を滞留在庫などの理由で廃棄される前に販売している活動があります。
株式会社低音流通ネットワーク様が運営している
~中小企業の飲食店様専用サイト~ もったいない食材ドットコム
というサイトです。
送料無料の業務用食材なら もったいない食材ドットコム


もったいないアクションは今のところ生産(一次産業)寄り、もったいない食材ドットコムは取扱の食材的に加工(二次産業)寄りです。

小売、外食産業(三次産業)についての食品ロスへの取組みはどおでしょう

この記事を書いている2016年4月現在は、小売業についてはセブン-イレブンの消費期限が近いお弁当の割引問題、外食産業についてはCoCo壱番屋のロスを再販して産業廃棄物業者が摘発されたのは記憶に新しいところかと思います。

ここで、賞味期限と消費期限は違うことは読者の皆様でご存知の方も多いかと思いますが、改めて定義しておきます。
農林水産省の定義では、加工後に長期間保存ができないものは「消費期限」、保存が可能なものは「賞味期限」を表示するとしています。

農林水産省の定義はこちら
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(http://www.maff.go.jp/j/fs/f_label/f_processed/limit.html より引用)

一般的に小売業の方が外食産業より品質基準が厳しいと言われていますが、外食産業もその品質基準は相当高く、一般的に品質的に問題ないと思われる期限より早い期日を賞味期限もしくは消費期限に設定しています。
運送状況や保存環境がお店で異なるので、念には念を、という基準を設けているためのようです。

安全基準を上げれば上げるほど、食品ロスが増えるジレンマに陥ります。

つまり、この賞味期限や消費期限を境にいきなり食品的にアウト、となるケースは少ないと言えるでしょう。
むしろ、これらの表示は開封前ということを前提にしています。それに対して開封後はなるべく早く、というざっくりした表記になることも多くなるのが不思議ですね。

開封前はメーカー責任、開封後はユーザー責任

そう、これらの設定はお客様のために見えて実は作りて側の企業の防衛のためなんです。
開封後は責任がユーザーへ移るわけなので、企業としては関与しない、という訳です。
当たり前といえばそうかもしれませんが、個人的には何だか寂しい気持ちになります。

買った後、家で開封しないまま期限が過ぎてしまったとします。お弁当などあまり日持ちしないものとなると少々悩みます。
500円のお弁当でお腹を壊したら嫌ですからね。
しかし、未開封で冷蔵庫に保存していたけど、消費期限から2〜3日経ったというという微妙なゾーンの時にどおでしょうか?
私もここは悩みます。一種のギャンブルです。

そして、とるリスクと得られるリターンを天秤にかけた時、明らかにとるリスクの比重が重いわけなので、多くの人が食べられるかもしれない食材をゴミ箱に入れるわけです。私もそうです。

もし、このギャンブルをギャンブルでなくすプロダクトがあれば、「まぁ、平気そうだから食べるか」ということに繋がるかもしれません。
わずかな量かもしれませんが、食品ロスの削減に寄与できるのです。


この回も長くなってきたので、次回のブログでいよいよプロダクトデザインについて、記載していきます。