ちょっと怪しい完全食とは
皆さん、完全食なる言葉を知っていますでしょうか。
恥ずかしながら私は知りませんでした。この商品を知るまでは。
トライアルキットの一つをたまたまもらい、その存在を知りました。
もらった時はそのネーミングから、完全に怪しんでしまいましたが、ホームページを見てみると興味深い内容が。
http://www.comp.jp
なるほど。確かに栄養的にCOMPはかなり素晴らしいことがわかります。
ネットの評判も悪くなく、第一印象を払拭し、逆にこの商品に興味が湧いてきました。
ただ、食事の楽しみとか、豊かさは食事を通じた時間であった、そういうのが大切だと思ってしまうのは私だけではないはず。
お母さんが握ってくれたおにぎりが一番の栄養だ、とか今でも思ってしまうわけです。
でも、悲しいかなそんな時間ばかり過ごせないのは世の中の流れ。致し方ない。
せめて、少ない時間で効率よく健康を維持するためのソリューションと考えれば、頷けます。
そんな中、私にドンピシャな記事がありましたので紹介します。
http://www.yamakei-online.com/sp/news_article.php?id=4206
なるほど!登山の時には確かにかなり使える!
そもそも粉なので軽いし、他に必要なのは溶かす水だけ。
これ以上登山に適した食品はないのではなかろうか。
また、私個人的に登山を少々するため各種道具は持っているのですが、その道具達は我が家では非常時の備えとして兼務しております。
電気が使えなくても、2日くらいなら普段と遜色ない生活が送れる自負はあります。
そんな登山道具兼災害時の備えとして、完全食COMPは魅力的な商品にみえてきたわけで、今回のブログの記事に取り上げました。
ネックは、粉なのに意外と賞味期限が短いというところでしょうか。
それでは、ようやく飲むモチベーションになったので実際に飲んでみようと思います。
長くなったので、続きは次回に。
ココファームワイナリーのものづくり
ココファームワイナリーという栃木県足利市にある知的障害者と共にワインを製造しているワイナリーをご存知でしょうか。
ソーシャルビジネスなんて言葉は知らなかった、かれこれ10年近く前に、そのワイナリーのことを知りました。
その取り組みに惚れ込んでしまった私は、オーナーに直接電話し、突撃撮影させてもらい、写真を額装して飲食店に無償で飾ってもらいつつ、その代わりココファームのワインを販売してもらう、という荒業を暫くの間やっておりました。
若かったなぁ(笑)
福祉や法規制があるから、ではない障害者就労
さて、ココファームワイナリーはどんな取り組みをしているのか、簡単にご紹介致します。
1950年代、トラクターなどが入れない急斜面で何もなかった土地を、知的障害のある特別支援学校の学生達が耕すところからスタートします。
急斜面の土地は日当たり、水はけともに良く、葡萄を育てるには最高の土壌でした。
しかし、機械が入らないという理由から、誰も手を付けていなかった。
特別支援学校の生徒たちのその働きぶりは目覚ましいものだったようです。
その流れを受け継いだNPO法人こころみ学園は、ココファームワイナリーの高台から眼下に見下ろせる位置に作られました。
こころみ学園では、知的障害者の方達に葡萄を収穫する仕事、雑草を抜く仕事、ワイン醸造過程の仕事など、様々な仕事が割り振られます。
障害の中でも極めて就業率が低い知的障害。
その中でも重度な障害を持った方たちを受け入れ、病気の特徴を捉え、最適な仕事を割り振っています。
仕事を通じて、精神が安定する方も多くいるとのことで、現在は100名を超える方たちがこころみ学園に入居されています。
いいことやってる、に甘えない競争力のあるものづくり
ココファームの魅力はこれだけに留まりません。
そのワインのクオリティがめちゃくちゃ高い。
私もこのワインの美味しさに惚れ込み、飲食店に取り扱ってもらえるという自信があったからこそ、上記のような活動ができたんです。
最初に飲んだ農民ロッソは今でも忘れません。
栃木 ココファームワイナリー 農民ロッソ 750ml
これは取材撮影の時に知ったのですが、ワインの醸造過程についてはフランスからワイン醸造の専門家を招き、指導してもらっているようです。私が訪問したときにもフランスの方がワインの醸造をしておりました。
ココファームのワインはラベルデザインも可愛い。
日本のワインのラベルは何故だが海外製に比べてデザイン性が乏しいものが目についてしまいます。
やっぱり日本語のタイポがワインにあわないのか。。と思っていましたが、どうやら違ったようです。
ココファームのワインラベルは、ひらがなで書かれているのに可愛い。
ラベルデザインは随時変わると思いますが、定番商品から季節限定ものまで、ウェブショップでラインナップが見れます。
cocowineshop.com
店舗やショップもラベルと同様素敵に作られており、そこで結婚式まで挙げられるというから驚き。
障害のある方が作ったお菓子を福祉施設などで販売していることはよく見ますね。
味は悪くないし(むしろ時にはかなりおいしいものもある)、取り組みは応援したいと思うものの、何故にかパッケージや販売しているお店にデザイン性が無い。
お金をかけなくても、すごく素敵なお店やパッケージを自作や仲間と作り上げているところも事実あります。
その違いは、製品である「もの」自体に競争力を持たせようとするブランド育成の精神があるかどうか、だと思います。
ソーシャルな活動は「こと」を重視し、「もの」に品質や量など、限界があると考えられてしまいます。しかし、それでは、市場原理の中でのビジネスとしては成立しません。
ソーシャルビジネスの難しさは、その限界を超えることが通常のビジネスより難しい。それゆえに高い経営力と、折れない確固たる信念が必要になる。どちらか片一方では、ソーシャルビジネスの歯車は回らないのです。
ココファームのことを語り始めたら全く記事の締めくくりがわからなくなりました(汗)
NPO法人と株式会社のハイブリッド経営手法など、経営の観点からもココファームワイナリーは優れた取り組みなのですが、その点についてはまた違う機会に。
最後に、来月11月19日-20日はココファームワイナリーで収穫祭が行われます。
私も一度行ったことがありますが、葡萄畑にレジャーシートを引いて、出来立てワインをガブ飲みしながら生演奏の音楽を聞くという、これまたお洒落な企画です。
新宿からも直通バスもありますが、経験者としては近くで泊まることをお薦めします(^_^;)
ワイン好きの方は是非一度は行かれてみては。
バクテリアdeキエーロ 好調!!
前回の記事で紹介した手作り生ゴミ処理機「バクテリアdeキエーロ」、かなり好調に生ゴミを処理してくれています。
これを作ってからというもの、子供の食べ残しや米ぬか、コーヒーの出し殻など、これまで捨てるのが億劫だった生ゴミが出ると嬉しくなるレベルです。
これを経験してから生ゴミ処理機に興味を持ち、色々と勉強させて頂きました。
生ゴミ処理機には大きく分けると
①バイオ式
②乾燥式
なるものがあり、双方メリットとデメリットがあります。
家電メーカーや産業機械メーカーはそのどちらかの原理を工夫し、炭火式という方式やハイブリッド式などと呼ばれる、より使い易く処理能力の高い生ゴミ処理機を作っています。
今回紹介したバクテリアdeキエーロは①のバイオ式に当てはまります。
バクテリアdeキエーロは電気を使わないため、バイオ式の欠点である「温度(気温)」「通気」にかなり影響を受けます。
ここ数日は暖かい日が続き、バクテリアの活動が活性化されたためちょっとした生ゴミなら1〜2日で分解されてました。
例えば、お刺身を買ってほぼ毎回ついてくる「つま」と呼ばれる大根を細く切ったものや、飾り程度についているしそなどは、どうしても余ってしまいます。
それ以外には子供の食べ残しや床に落としてしまったもの、米ぬかやコーヒーの出し殻、肉の脂身など、諸々出た生ゴミをまるっと放り投げます。
土を被せ、2日後に撹拌のために開けてみると
おぉー
人参や大根の皮はまだ残ってますが、つまやお米など小さなものはほぼ無くなっております。
何もしてないのに、自然の分解能力には驚かされます。
また、一般的に生ゴミ処理機には、分解に苦手なもの(貝殻、桃などの大きな種、玉ねぎの外側やとうもろこしなど分厚い皮など)があります。
予め分解できるものとできないものを分別しておくことが、後々質の良い土となるコツです。
また、水分をよく切る、という言葉も様々なブログに出てきます。
確かに、カビが生えてナウシカの腐海状態に陥った方がいるようなので、あまりにもびしょびしょはまずいと思いますが、私はそんなに気にせず放り投げています。
一応、2日に1回くらいは土を撹拌してるからか、気になるほどカビは生えておりません。
生ゴミの処理能力が証明されたので、今は落ち葉処理(季節柄落ちてきましたね)能力を試しているところです。
そんな優れもののバイオ式コンポストですが、この方式、冬になると急激にその処理能力が落ちるらしく、これまで数日で処理できていた量でも2週間以上かけても処理できないといったこともあるようです。
冬は生ゴミの中でも分解されやすいものだけにするなどの家庭の工夫は必要になりそうです。
また、これも知らなかったことですが、大型飲食店は法律で生ゴミを処理することが義務付けられています。
食品リサイクル法
まだ大型飲食店が、かなり導入コストもランニングコストもかかる生ゴミ処理機を使わざるをえない状況ですが、中小飲食店にも手頃な生ゴミ処理機が普及するといいですね。
本来自然から作られている生ゴミを、自然の力で分解して自然に返す、というサイクルが個々の家庭や小さな飲食店からも生まれるといいですね。
電気を使わない生ごみ処理 バクテリアdeキエーロ
神奈川県葉山市から広がっている、電気を使わない生ゴミ処理の取り組みがあることをご存知でしょうか。
私は逗子のとあるセミナーに参加した際に初めて知りました。
電気を使わない生ゴミ処理機「バクテリアdeキエーロ」
そんな存在自体知りませんでしたが、その処理機の作り方が面白い。
考案者の方は作り方を公開してるので、個人利用であれば好きなように作って良いことになっております。
また、その木材に東日本大震災で使えなくなった材木を使用し、仮設住宅に届けたりする活動もしています。
さらに、その生ゴミ処理機の普及に逗子市や鎌倉市などの自治体も補助金を出すなどして協力しています。
なんだかいいですねー。さすが、海に近くお住まいの方たちは環境への意識も高いんでしょうね。
一部の画像は実際に私に教えて下さった方が紹介されているサイトから一部画像を流用させて頂き、この電気を使わない生ゴミ処理機「バクテリアdeキエーロ」を紹介したいと思います。
コンポストは知ってる人も多いと思います。
これです。
生ゴミや落ち葉を堆肥化させ、土として再利用するプロダクト。
ようはそれを木とポリカーボネートの屋根で作ったのがバクテリアdeキエーロです。
構造は至ってシンプル。
図面はバクテリアdeキエーロのサイトに載ってますが、特にこれというサイズは無いので、ご自宅の庭やベランダのサイズに合わせて作成頂いて大丈夫です。
私は余っているフローリング材を活用したので、その材料のサイズ取りをメインに設計しました。
バクテリアdeキエーロで画像検索すると色々なキエーロが出てきますので、作ってみたい方は参考にしてみて下さい。
使っていない浴槽を再利用したという強者もいらっしゃいました(笑)
と、言うことで私も頑張って作成することにしました。社会を今より良くするプロダクトを紹介する上で、作れるものは自分で作って紹介します。
使った材料は
・余ってた角材
・余ってたフローリング材
・余ってたビス
・500円くらいで買ったポリカの波板
・100円均一の丁番
・余ってたニス
こんな感じで余っている材料を活用して作成できるところもバクテリアdeキエーロのいいところです。
設計図はキエーロのホームページに紹介されている、ベランダdeキエーロを基にしました。
庭に直おきなので、底は必要ないので、そこだけはバクテリアdeキエーロと同じ設計としました。
基の図面はこれ
ひたすら木材を切断すること一日、組み立てに一日かけて、ようやく箱らしくなってきました。
風雨に晒されても木が腐らないように、ニスで塗装します。
あとはポリカの屋根を付けて完成です。
雨の中での作業でしたが、大体3時間✕3日くらいでで完成しました。
我が家は生ゴミ以外に大量の落ち葉も処理に困っていたので、これからこの子が豊かな土にしてくれることでしょう。
実際にうまく生ゴミ処理に成功したら、また違う機会に紹介しようと思います。
蚊を減らすアイデア 〜実践編〜
前回のブログ「蚊を減らすアイデア 〜考察編〜」から一ヶ月余りが経ってしまいましたが、とうとう実際に試作を作ってみることにしました。
まず、用意するのは
・2lのペットボトルの上三分の一を切ったもの
・300mlのペットボトルを同様に切ったもの
・砂糖50g
・ドライイースト2g
・リンゴジュース100ml
・黒いテープ
・お湯200ml
蚊は暗いところが好きなので、大きい方のペットボトルを黒いテープでぐるぐるに巻きます。
お湯を沸かしてペットボトルに入れ、砂糖をすべて入れて溶かします。
完全に溶けたら、40度くらいになるまで冷まします。
※このくらいの温度が、イースト菌の発酵に最適だからです。
冷めたらドライイーストを入れ、1〜2時間程度室内で発酵させます。
発酵すると、鼻を付くような刺激臭が発生しますが、これが二酸化炭素を含んでいて蚊を誘引する大切な役割を果たします。
さて、ここで小さいペットボトルにリンゴジュースを入れ、そのペットボトルを大きいペットボトルの中にそっと入れます。
蚊が大好きな二酸化炭素と果実のダブル攻撃で、ごっそり撃退が期待できますね!
あとは大きいペットボトルの上部をひっくり返して挿し込んだらほぼ完成です。
多少の雨や落ち葉を防ぐために簡易な傘を紙皿で作成したら完璧です。
私の住まいの庭の蚊が多いところに設置しました。
ここに置きに来ただけで二箇所刺されるくらいですから、さぞかしこのトラップに蚊がたくさん引っかかることでしょう。
わくわくしますねー。
そうして3日が過ぎた頃、恐る恐る蓋を開けて見ました。。
あれ?
小蝿が5,6匹捕まっただけで、蚊らしい存在は見受けられません。
何がいけなかったのかな?
発酵が弱かったかと思い、諦めきれない私は再度やり直してもう一回チャレンジしました。
そうして更に3日後、今度はどおかと蓋を開けてみると。。。
ぎゃーーー
巨大なGがーーー
※あまりのグロさに画像は非掲載としました。
その上蚊は一匹も捕まっておりません。
この一件で心が折れ、私の完敗という結果になりました。。。
蚊対策、一筋縄ではいかないことがよくわかりました。
蚊を減らすアイデア 〜考察編〜
以前からこのブログ(社会を今より良くするプロダクト)で書こう書こうと思ってたテーマがあります。
そのテーマとは、蚊の対策です。
昨今、蚊を媒介とした感染症がニュースになるケースが増えてますね。
日本ではデング熱やジカ熱という感染症が昨年の2015年から耳にすることが増えました。日本では発症件数は少ないものの、マラリアは今も毎年60万人もの命を奪っているということをご存知でしたでしょうか。
ビル・ゲイツも自身のブログ(下の画像)で蚊がいかに多くの方人の命を奪っているのかについて触れていることは周知の事実。
身近な存在であることと、マラリアという遠い国の感染症が非常に密接に関係しているということは、頭で理解できてもなんとなく他人事のように感じてしまいますよね。
しかしながら、いよいよ国内でもデング熱やジカ熱の発症事例が見られるようになり、徐々に自分ごと化してきた人も多いのではないでしょうか。
ということで、今回のテーマは蚊の対策について、ものづくりの視点から考察を進めていきます。
一言で蚊対策といっても、対策方法には大きく分けて3段階あります。
まず、「蚊の増殖を防ぐ」という根本的な対応が一番望ましいです。殺生せずに済みますから。
私が住んでいるエリアは、公園があったり大昔は沼もあったとのことで、非常に蚊が多い地帯なんです。
昨年の暮れに組合にかけあって「蚊シャットくん」なるプロダクトを買って設置してもらいました。
www.ookura-it.com
蚊の温床となっている、雨水マスを金網で塞いでしまおうという荒業のプロダクトです。
こういうところに
こういう金属の網戸を敷いてしまうアイデアです。なんともシンプルでわかりやすい。
実際に4か月程度使ってみて、枯れ葉が詰まりやすくなってしまうこと以外は設置も簡単ですしお値段も安くてマンションの住人からも承認が貰いやすかったです。
しかししかし、やっぱり2、3個雨水マスを塞いだ程度では蚊の増殖を抑えられず、相変わらず我が家周辺ではブンブン飛んでいる始末です。。
さて、残念ながら蚊の発生を抑えられなかったら、次は「発生した蚊を倒す」という対策。
殺虫スプレーやベープのような殺虫剤がこれにあたります。
トラップ的なのもこれに該当しますね。
そう、トラップで思い出しましたが、読者の方の中には、ペットボトルで作る蚊の退治用のこちらをご存知の方はいらっしゃいますか?
実は二年ほど前、私も実行しては蚊はほとんど捕まえられず、よくわからない虫の群生と悪臭を発する液体だけを残すという失敗を経験しています。
知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、「ペットボトル 蚊」などとググれば作り方サイトは大量に出てきますので、ここでは作り方は説明しません。
もし作られる方は私のような失敗をしないようにお気をつけて。。。
最後の蚊の対策としては、「蚊を避ける」という対策です。
虫除けスプレーとか、虫コナーズがここに該当しますね。
そんなこんなで、蚊の対策に試行錯誤を繰り返しておりますが、つい先日こんなことがありました。
蚊の主食は花の蜜と果汁であることを思い知らされる。
三歳の娘が我が家のソファにリンゴジュースを大量にぶちまけ、私が庭にポタポタしたたるリンゴジュースだらけのソファを運び出した時です。
軽く拭いて、乾かしているとそれはそれは、驚くばかりの蚊の群生がソファに群がってきました。
我が家のソファは黒い革製なのも影響してか、ざっと10匹はソファに群がりっておりました。
それを見た私は、蚊の主食が人間の血液ではなく、花の蜜や果物の果汁であることに改めて気づかされました。
ソファに群がる蚊からは、無邪気に突然の果汁パラダイスを喜ぶ歓喜の声が聞こえてきそうでした。
その蚊を見て、私は蚊を減らす一つのアイデアを思いつきました。
先のペットボトル蚊取り器の失敗は、気温が低かったため発酵が進まず、蚊をおびき寄せるだけの二酸化炭素が発生しなかったからと分析しております。
しかし、今回のソファにリンゴジュースぶちまけ騒動で見た蚊の群生は、一目散にリンゴジュースに駆け寄ったわけです。
それなら、同じ構造で中身をリンゴジュースにしたら、もっと効果的にかつ悪臭を減らしたペットボトル蚊取り器を作れるのでは!?
今回の記事はここまでにしますが、次回以降、リンゴジュースペットボトル蚊取り器の制作レビューを紹介します。
お楽しみに!
もし私よりさきに実行した方がいましたら、是非感想聞かせてください!
成形方法と製造コストのイノベーション
前回から引き続き、子供のアレルギー対策をプロダクト目線から考察していきます。
前回は子供のアレルギーは成長と共に改善されていくことが多いため、基本は塗り薬による皮膚のメンテナンスが中心という話を書かせていただきました。
ゆえ、皮膚のメンテナンスに欠かせない塗り薬の容器について、今回はものづくりの視点から話を展開していきます。
射出成型については前回触れたとおり、金型内にドロドロに溶けたプラスチックを高圧で射出し、冷えたところを取り出すという方法で量産されます。
大量生産する際に価格面でのメリットがあります。
射出成形の歴史は古く、1921年にドイツで初めて射出成形機が発明されてから約100年近く前に開発された技術となりますが、今日のものづくりにおいても主要なプラスチック製品の生産方法となっております。
この約100年の間に射出成形機も進化してはおりますが、デザイン上この成型方法が苦手するものがあります。
それは、製品の肉厚の変化です。
製品自体のデザインに厚い箇所と薄い箇所が複雑に設計されていると、射出圧力が高めに必要にって「バリ」や「ヒケ」が発生して不良成型品となってしましむ。
※「バリ」や「ヒケ」については、こちらの会社様のサイトがわかりやすいです。
成形品の不具合 | 金型 | プラスチックの話 | 工業用品部 | 株式会社リッチェル
さて、射出成形の得意不得意を理解したうえで、改めて塗り薬の容器を見てみると今のデザインが理に適っていることが理解できると思います。
肉厚は均一ですし、ドロドロのプラスチックが流れにくそうな箇所は特にありません。=不良を起こしにくい。ということになります。
ここで、薬剤師さんの目線でもこの容器について考えてみましょう。
皮膚科などに行って処方箋をもらうと、薬剤師さんが奥の方で何かやってますね。
薬剤メーカーから買っている薬を販売するだけであれば、チューブに入った状態で売ればよいので薬剤師さんは特に何もしません。
いわゆる調剤を行う場合、下記のような調剤工程を経て、患者へ提供しています。
こうした軟膏を混合した薬を混合軟膏と呼びますが、この混合軟膏を作る工程として、動画で消火したような手で作る薬局が少なくないようです。
なるほど、この作業を行うなら容器の口は広くないと、混合した後ヘラでは入れにくくて仕方ありません。
だんだん、デザイン要件がまとまってきましたね。
・射出成形による大量生産でのコスト競争力は維持
・薬を塗った後は手がべた付いているので、閉めるときは容器を触る面積は最小に
・薬剤師さんはヘラで容器に入れるため、容器の口は広く
以上を網羅するプロダクトデザインであれば、競争力を持った製品になる可能性があります。
そこで私が考えたものは、マヨネーズのフタの構造を活かしたワイド版マヨネーズです。
薬を出し過ぎず、かつ根詰まりしない程度の穴径を確保します。
この容器の青い部分がマヨネーズの蓋に代わるイメージです。
容器下部をギュッと握ることで、圧力で塗り薬を出すイメージです。
ここで大切になる点としては、容器下部は弾力のある素材を用いて手で押して変形するくらいの柔軟さが必要になります。
しかし、この要件になると、通常は射出成形ではなくブロー成形になります。
ブロー成形も射出成形と同様金型を使用します。
流し込むプレスチックが液状からシート状になった、とイメージ頂ければわかりやすいと思います。
こちらの動画がわかりやすいかと思います。
ブロー成形と射出成形の二つの設備を使って製品を作る場合コストが上がる可能性が高いです。
射出成形で1次フォームを作り、そのフォームを再加熱してブロー成形で求める形状を作成する射出ブロー成形という工法もありますが、こちらに関してもフタの成形と異なる設備のため価格競争力が低下する恐れがあります。
今回の考察では具体的なコスト算出まではしませんが、蓋と容器を分けて作成しても既存の容器に負けない価格競争力が必要になることはここに記載しておきます。
また、手に馴染む形状で、蓋側を下に向けて軟膏材が下に集まるようにデザインする必要があります。
形状でいうとこんな感じです。
下側がマヨネーズのようなヒンジ付きの蓋になります。
さて、そろそろ今回も終わりですが、ものづくりから考える子供のアレルギー対策で今回は軟膏材容器にフォーカスしました。
デザイン上の工夫の余地はまだまだありますが、生産コストが非常に重要になる観点でした。